長崎での週末

1,2月は遠征が続きます。まずは長崎。2月は沖縄。長崎では、諫早で開かれた「ながさき女性農業者の集い」に呼んで頂きました。


金曜日の出発前に、急遽、鞄持ちとして付いてくることになった三男サンタロー。ほんとに鞄を持ってくれるのが笑えました。電車で諫早に向かったのですが、途中の熊本駅構内で妖怪ウォッチの「毛馬本駅」を見つけてさっそくテンションうなぎのぼり(笑)


ところが、カバン持ちのはずだったサンタローが大健闘。司会者の方に名前を紹介されたら、躊躇なくテクテクと壇上にあがり、「大人になったら農家になります!」と発言するではないですか。女性農家の皆さんが、喜ぶ、喜ぶ。同業の、しかも先輩方の前で話をするのは結構なプレッシャーでしたが、前座(むしろ主役?)のサンタローに大いに助けられました。



初めて開催したというこの集いに参加したのは約150人。そういう場にわざわざ来るような皆さんだから余計にそうなのかもしれませんが、強者&元気モンばかりで、別に私なんぞ来なくても盛り上がるじゃん(^_^;)と終始思ってました。とは言え、人間フシギなもので、近くの人に同じ事を言われるより、遠くから来た第三者に言われる方が響くんですね。農家がこの国からいなくなったら困るのは消費者の皆さんだってことをキチンと伝えるのは自分たちなんだとか、農家が果たしてる役割は農産物を作るにとどまらず、国土や空気や景観を守ってるんだってこととか。皆さんウンウンと深〜く頷きながら聞いて下さり、終わったらキラキラした表情で次々と話しかけて下さいました。なんか、嬉しかったですo(^-^)o それに先輩方が多いのかと思っていたら、同世代や年下も沢山いて、それも嬉しかったですo(^-^)o 




講演の後のパネルディスカッションには「助言者」という肩書でサンタローも登壇(笑)ギャラ払わなきゃですね(^_^;)パネリストは佐世保のミカン農家さんと、小浜温泉の果樹農家さん。お二人とも30代。佐世保のミカングループは20〜40代のメンバーが女性だけで30人もいるとか。トラクターの免許もとったとか、経営者としての手腕も磨きたいとか、まぁ力強い言葉が次々と出て来て、頼もしい。


「女性農業者を元気にして下さい」という県の機関からのご依頼で、諫早だし、色々大変なのかなぁと思っていましたが、皆さんそれはそれはお元気で、懇親会では長崎名物・皿踊り。むしろ層の厚さとパワーを見せつけられた感じでした。


翌日。諫早から路線バスに揺られること1時間。数年前からずっと訪ねたかった小浜温泉の温泉熱発電所をようやく訪ねることができました♪温泉の熱や蒸気で発電できたら、日本はエネルギー大国!でも、ミネラル分が多すぎて、すぐに配管が詰まってしまうのが悩みのタネでした。


それを何とか解決できそうなのが小浜温泉。しかも、源泉から熱だけをとるので(熱湯で金属板を熱し、その金属板で真水をお湯にする)、温泉旅館などが心配するような「源泉の取り合い」にならないシステムです。本格的な事業のスタートは4月以降ですが、こういう地域資源を活かした発電事業は出来るだけ市民出資で実現したい、という思いで駆け回って準備をしているのは2〜30代の若者たち。学生時代に大学の研究として関わり始めたのがきっかけでここに移住してきている若者が私が知る限りでも3人もいるのです。写真の青年もその1人。これぞ地方創生!小浜温泉、ぜひご注目あれ。


発電施設を見学した後は、前日に知り合った可愛い女性農家の志穂さん宅にお邪魔しました。阿蘇の山もいいけど、オーシャンビューも素敵すぎ。こんなとこで仕事するの、いいね!


突然押しかけたのに、新鮮なお魚と、「押し寿司」と呼ばれるカラフルな郷土料理と、名産品のジャガイモが惜しげもなく入ったお汁と、長崎と言えばの皿うどんを頂きました(^_^)v 

デザートには、出荷できないという、傷みもあるけど甘〜いイチゴをたらふく。正に別腹に入れてきました。
前日に出会ったばかりなのに、農業のこと、エネルギーのこと、子育てのこと、地域のこと。とにかく話題が多くてあっという間に時間が過ぎました。離れていても、知り合ったばかりでも、思いは一緒。生命力のある男子たちを世に送り出せるよう、頑張っていきまーす(^_^)b


そして私とサンタを迎えに来がてら、小浜温泉で合流した夫と長男次男も一緒に島原半島で家族旅行。と言っても、息子たちの釣り願望を叶えてるだけで、何もしてません(^_^;) 山育ちの彼らにとって海釣りは憧れ。名もない防波堤でひたすら釣ってます。


アラカブ、コノシロ、トラフグ(食べません)…。日曜日の朝に日本を震撼させた遠い国でおきた事件で、胸が苦しすぎて呆然としていましたが、海を眺めているうちに気持ちがだんだん穏やかになってきました。お腹も空いて来ました。生きている証拠ですね。


帰り際に寄った島原の乱終結した原城跡は、言葉に表せないほど素晴らしい眺めの場所でした。何万人もの尊い命が失われた場所なのに。戦うために作ったお堀の跡地が、数百年の時を経て、今はタマネギ畑になっていました。世界平和への第一歩は食料とエネルギーの自給から。この子たちのためにも、微力ながら世界平和を目指します。ちょっと大げさですが、本気です。充実した長崎の旅となりました。