子連れ出張中に起きた不測の事態。大津家スランプ中

NPO法人田舎のヒロインズで去年から始めた「エネルギー兼業農家のススメ」というオンライン講座の取材旅行に、エネルギー兼業農家を目指しているエースケとリサでまわるつもりが、「オレも行きたい」とサンタ。本人の「やりたい!」という意思はなるべく尊重するという私の方針に基づき、カメラマンとして同行することになりました。将来は農家になる、と公言している彼にはしっかりお勉強してもらおうと思ったのです。




が。



不測の事態が起きてしまいました。初日の仕事を丹波兵庫県)で終えて、徳島に移動したその晩。張り切ってついてきたサンタが虫垂炎(いわゆる盲腸)にかかってしまい、翌日には緊急手術を受けることに。


発見も十分に早かったとのことで、地震の後、総合病院がなくなってしまった南阿蘇よりずっと順調に大きな病院で手術を受けることができたまでは良かった…のですが、そのあとが大変だったのです。薬の副作用が起きてしまったのです。



「強い痛み止め」と言われたフェンタニルの投与をやめたとたん、1,2分に一度の発作的な痙攣、1時間に4回程度の大きなひきつけ。本人はもうろうとしていて、視点も定まらなければ、一時期は顔が変形していたほど。これはおかしい、と思うものの、「半日は様子を見ます」と言われて不安とともに過ごした11時間。あと1時間この状態が続いたら手を打たないと、というタイミングでサンタがいきなり「お腹すいた」と。お見舞いに持ってきて頂いていた納豆巻きを所望し、「治ったら美味しいもんご馳走してあげる」とのありがたいお言葉を聞いて、それまで土色の顔をしていた彼がなんとニンマリ。おおお〜っ!納豆巻きで蘇生。またサンタ伝説ができました。


緊急手術だったとは言え、お医者さんの薬に対する説明は、私の感覚では不十分でした。いい加減だったというよりは、術前も術後も取り立てて目立った異常がなかったことと、サンタが年齢の割に体格がいいことで、先生方にとって、「当たり前」の手術と対応だったのでしょう。

まずは外科医の友人にパーソナルセカンドオピニオンをもらった後、投与したクスリの種類と量を正確に教えてもらうよう要請。血液検査などを踏まえた結果、フェンタニルによって生じるかもしれない吐き気を予防するために混ぜたドロレプタンという薬の副作用だろうとの見解でした。

慌ててウィキペディアさんに聞いてみたところ、副作用の心配が多い劇薬とのこと。そんな薬を使う割には、やっぱり説明が少なかった(*_*)

色々書きたいことはありますが、子供の体調変化というのはすごいです。お腹に穴を開けたところは痛むようですが、とりあえず副作用の悪夢からは解放されました。



その後も、やはり薬の副作用と思われる頭痛と喉の痛みが続いたものの、やっと「普通の術後」状態になったサンタ。氷枕も咳止めの薬も効かないので、気分転換に売店へ連れて行ったところ、懸賞付き間違い探しを見つけて、頭痛も喉の痛みも一気に止まりました(笑)今回の入院を無駄にしないため、豪華賞品を狙うんだそうです(^_^;)



さて、今回の緊急入院にまつわる「いい話」ばかりをご紹介。ご心配をおかけした罪滅ぼしですが、長くなります。暇つぶしにご一読頂ければ幸いです。心温まるエピソードに飢えている方は是非^_−☆


その1: 病室のこと
個室に空きがなかったので、3晩とも個室料金(差額約5千円)で特別室(差額2万円強)の部屋に泊まれた(^_^)v ラッキーとしか言いようがないけど、悪い時は1,2分おきに「お母さん〜」とサンタに呼ばれていた中で、トイレもお風呂もある部屋だからこそ乗り切れた。リサもいるし。神様ありがとう。



その2: 派遣家政婦さんのこと
昨日、「このままじゃ自分がぶっ倒れる」と危機感を持ったので、病院を通じて家政婦さんを依頼。午後にはさっそく来てくれて、私がサンタの側にいれるようリサの遊び相手をしてくれ、リサが私じゃないとダメな時はサンタのお世話をしてくれた。買い物も頼めたし、リサが昼寝を始めた時は、サンタを任せて私も寝れたので、言葉では表現できないほど助かった。時給1千円ではあり得ないほどプライスレスなサービスでした。北浜看護婦家政婦紹介所さんの敏速な対応と、派遣された川平さん(写真)に感謝。




その3: 看護婦さんのこと
ひっきりなしにナースコールを押したがる、でも実際にそれだけ状態が悪かったサンタ。看護婦さんの反応は様々だったし、大きい病院なので、最悪の状態の時にもお医者さんがなかなか来れなくてヤキモキもした。薬が抜けた途端、驚くべき早さで元気になったサンタの笑顔を見て、「キツイ時になかなか来れなくてごめんね。回復して本当に良かった」と涙を流してくれた看護婦さんがいた。正直言って、救われた気持ちになった。看護婦の手束さん、患者さんもいっぱいいるのに、1人の少年のことを本気で気にかけてくれてありがとう!



その4: やっぱりスーパー2年生
後遺症が残りかねない最悪の状態は抜けたものの、まだ副作用にもんどり打って苦しんでいたにも関わらず、家政婦さんが来てくれた事を受けて、「お母さん、リサが寝てる間にお母さんも寝ていいよ」とか細い声でサンタ。我が息子ながら、なんちゅー優しい男なんや!長引くことも予測すべき状況だったので、ありがたく休ませてもらいました。サンタ、ありがとう!




その5: リサのこと
元気いっぱいだった娘は、兄貴の病院食をゴーカイに食べ、病室内で動き回り、兄貴が泣けば泣き、笑えば笑って、彼女なりに精
いっぱい過ごしていました。


予定より3日遅れて新幹線で熊本駅に到着すると、そのままスタジアムに直行してラグビー観戦♪( ´▽`)


病院の先生いわく、今日からは登校もOKだし、本人さえ平気なら入浴以外は何してもいいって言われてて、本人が「予定通り観に行きたい」って言ったんですもの(^_^o)


ラグビートップリーグ、キャノンvsコカコーラ戦を是が非でも観たかった理由は、 ハーフタイムに上映される「熊本は頑張ってます!」という、復興支援へのありがとうムービーにサンタが登場するから。このムービーは今日1回限りしか上映されないものだし、何よりサンタはラグビー選手に絶対むいてる!と常々思っているので、サンタにラグビーの面白さを味わってもらいたかったのです。


スクリーンに映し出された大きなサンタと、それを見つめる大きな笑顔のサンタ。ケンカが増えてきてた兄貴たちだけど、副作用が抜けて意識が戻ってからは会いたくて仕方がなかったようで、3人揃ってキャッキャとはしゃいでいました。



帰宅後、残りの家族が次々と体調をくずし、いま現在もスランプが続いている大津家。回復を祈るばかりですが、ひとまずご報告まで。