本震から1週間。元気です。

沢山の方々からお見舞いのメールや電話やメッセージを頂き、ありがとうございます。
状況が刻々と変わる中、4月22日10時現在、大津家全員無事です。


時々余震に見舞われながら、昨日は大雨警報が出るほどの雨が降った阿蘇地方。いつどこで土砂崩れが起きてもおかしくない緊迫した状況です。


が。そんなこと言われても、エネルギーを持て余してる少年たちがじっとしていられるはずもなく。彼らの気を紛らわせるために、映画をみせることになり、彼らが選んだのが「もののけ姫」。ついつい引き込まれて一緒に観ていると、この状況だからこそ、いちいち響きます。中でも思わず泣きそうになったのがこの台詞。

サン「もう終わりだ。森が死んだ。」
アシタカ「まだ終わらない。私たちが生きているのだから。」

そして最後に緑が広がるシーン。ちょうど野焼き後に新しい芽が出始めている今の阿蘇と酷似していて、ハッとしました。橋がなくなり、山が崩れ、家々が倒れていますが、生きている限り、まだ終わらない。そしてエボシが言いました。「良い村にしよう」と。やはり不朽の名作ですね。


大雨から一夜明け、土砂崩れ等の大きな被害がなかったことにホッとしています。
さて震災後、新鮮で美味しいアスパラガスとイチゴを毎日のように頂きました。流通や交通網が麻痺して出荷や集客ができなかったからなのです。


他の業界にもリーマンショックやテロなど、予測のつかない打撃があるのも知っています。でも同じ農業者として、うまく出来た農産物が出荷できないというのは本当に胸が痛みます。かくいう我が家も、今月はお米を送ることができなかったのですが、お米は保存がきくのがいいところ。野菜や果物はそういう訳にいきません。どちらも阿蘇を代表する作物で、通常通りならガッツリ出荷するべき大事な時期。それを頂くのはやっぱり切ないです。

とは言え、嘆いてもどうしようもない事態であることも事実。そういう時は、感謝して美味しく頂くのが筋というもの。そんなわけで、リサはアスパラ&イチゴデビューを果たしました。まだ先が見えない状況下ですが、困難の先にはいつか喜びがくると信じて、アスパラとイチゴを堪能させて頂きます。都会の皆さん、熊本産の農産物が出回りはじめたら、ふるってお買い上げ下さいね*\(^o^)/* まじ、うまいっす♬

食材と言えば、息子が掘ってきたタケノコやら、ご近所さんに頂いたワラビやらがあったので、我が家のお米でオニギリを作ってプチ炊き出し。車で出かけるのは避けたいので、独居されている徒歩圏内のお年寄りにお弁当と明るい話題の提供(リサの成長や若いドイツ人の滞在者)してきました。90歳を過ぎて独り暮らしをされている方がお二人、80代がお二人。彼らが守ってきた田畑や山や川のおかげで私たちが守られているわけですから、感謝の気持ちを込めて。ドイツから来たステラは、県外に避難させようかと思って画策していましたが、本人の希望でこのまま阿蘇に残ることになりました。この集落のメンバーとして、この非常事態を乗り切りたいと思います。


最後にお願い事を2つ。

阿蘇村と高森町の皆さんへ。
電気が復旧しましたが、南阿蘇エリアに電気を供給している6万6千ボルトの送電線が土砂災害で使用できなくなっているため、全国から集まって頂いている発電機車によって電気が復旧しています。つまり、燃料で発電しているわけで、その燃料は当然、域外から運んで来ています。電気は有限です。復旧したからと言ってすぐに元の生活に戻るのではなく、本当に必要なエネルギーについて考えて暮らして頂ければ、と切に願います。

エネルギー関係者の方へ。
九電は当然、高圧の送電線を復旧する準備をしているはずですが、阿蘇エリアは送電容量が足りないという理由で、再生可能なエネルギーの買取が見合わされてきました。どうせ建て直すのであれば、阿蘇エリアの再エネ事業が進むようなものにして頂きたいのです。誰にどうお願いして良いか分からないので、関係者の方がいらっしゃいましたら、ぜひ要請して下さい。

我が家は引き続き、自立型の太陽光発電で生活してみようかと思い、充電中(^_^)v


昨晩も余震が何度かあったのでグッスリ眠れず。
ソーラーバッテリーの充電が終わったら、次は私の充電です〜
食べてすぐ寝ると牛になるって言うけど、阿蘇の場合は、なれるもんなら牛も悪くない(笑)