リトルファーマーズ養成塾を開催しました

娘の出産以来、パソコンを開くことが困難で、どーーーーしてもアップが続けられていない状況ですが、今回の企画についてはぜひご報告したくて、寝かしつけの後に何とか起きました。主に農家の子たちを対象にした次世代育成プロジェクト。4泊5日の長い合宿だったので、かなり長文になりますが、良かったらご一読ください。


去る7月26〜30日に、地球環境基金等の助成を受けてリトルファーマーズ養成塾in南阿蘇を開催しました。企画の意図は下記の通りです。

「この度の熊本地震では、農家が持つ「生きる力」の強さが際立ちました。食べ物を作っているという「備蓄力」に加え、自然と共に歩んでいる精神力の強さのおかげかもしれません。

子どもたちには災害が来ても折れない心と、農業という仕事の強みや誇りを身につけてほしい。そんな思いから、子どもたちが自らのアイディアと力で、農作業と農業経営にチャレンジする合宿を開催することに致しました。期間中は農作業や里山での遊びをしながら、夜には農業経営についてのお勉強もします。詳しくは募集チラシをご覧ください。


参加者は熊本からだけでなく、福井、佐渡島、千葉からも。未来の農家たちが集いました。子供たちの自由を最大限みとめるに当たり、"自由奔放"と"創造的自由"の違いを明確にする必要があり、それを導いてくれるのが、新潟大学の豊田光世さんでした。「子供の哲学(p4c=philosophy for children)」を日本の教育現場(特に公立の小中学校)に広めるべく尽力されている、尊敬すべき友人です。



子供たちが集まって「自己紹介しよう〜」と言い出したところで、すかさず豊田さんが、私、オモシロイやり方知ってるよ、と。毛糸をまきまきしながら車座になって自己紹介。グルリと3周する間にできた毛糸の球は「コミュニティボール」と呼ばれ、このボールを持っている人が発言をするのが唯一のルール。何となく雰囲気が和んできたところで、大人はさりげなく退室。時々質問には来るものの、とりあえず最初の3日間のスケジュールと合宿中のルールを決めていました。お見事。この対話はテーマを決めて毎日つづけました。あまりに面白かったので、また後日あらためて報告します。


長旅をして来た子たちを配慮して、初日の午後はフリータイム。あっさり仲良くなったみんなが選んだ遊びは「相撲大会」!どんだけ昭和なんだ…(^_^;)


初日の晩、佐渡から来てくれた5年生の女の子が「私ね、こういう集団で泊まるのにはけっこー慣れてるんだけど、この合宿って、なんか新しいね」と言ってくれました。子供たちの力をとことん信じる大人たちの気持ちが伝わったようです。子供の自主性を尊重すると、大人の柔軟性が問われ、すごくこちらが鍛えてもらった感じでした。


子供たちが決めたルールとスケジュールに従った結果のある1日。竹を切り出すところかは始める流しソーメン。オヤツのお菓子づくり。川遊び。虫捕り。そして夕方になってやっとこさ農作業(笑)擦り傷や切り傷はあるものの、充実しまくった、つまり、自分たちで決めた事をするという自由を謳歌した1日を終えようとしている少年たちの後ろ姿に感動しました(^-^)


終盤になってやっとこさ「リトルファーマーズ養成塾」らしくなりました。大人から言われるのではなく、です。藤原農園さんの畑で収穫作業ををさせて頂いたり、袋詰めをしたり。それらの農産物を買い取らせてもらうことで話が決まりましたが、子供たちはお金を持っていないので、マーケットで売れてから払わせてもらうように交渉。仕入れ価格に人件費や袋代や場所代を加算して売値を決めていく子供たちは、経営のことまで考えていて、まさにリトルファーマーズです。万が一売れなかった時は、他の労働などで支払うとして、そんな無茶な商談を農家さんが認めてくれるかどうかは、平時からの信頼関係があってこそだという事に自分たちで気がついてくれただけでも、この塾を開催した意味があったというものです。

NPO法人田舎のヒロインズの理事3名♬もう一人いたのですが、先に帰ってしまったのが残念。


最終日はリトルファーマーズ養成塾のハイライトである、「リトルファーマーズマーケット」を開催しました。小学生たちに任せるのは流石に無理があったかな〜という感じですが、それなりに賑わったし、値下げ交渉やサービス品など接客はなかなか素晴らしいものでした。とは言え、経費を差し引いても、それぞれがお目当のかき氷にありつくくらいの売り上げはあったので、子供たちは満足顔。テレビ熊本の取材まで来て、盛況でした。遠方から来た子たちを空港まで見送りに行った帰り道、自作のキーホルダーが売れたサンタが「お母さん、アイスおごるよ」と言い出して、初めて息子にご馳走になりました。思い出に残るアイスの味でした♬

このイベントに協賛して下さったアグリコネクト社さん、アグリダイレクト社さん、熊本地震の後に同NPO法人に寄附を下さった沢山の皆さん、新潟大学の豊田さん、本当にありがとうございました。子供たちは見事な経営者に育ってくれました!