バイオエネルギー村の視察①

人口2000人以下の農村集落で、必要なエネルギーを全て自給してしまうというバイオエネルギー村。パイロットプロジェクトとしてドイツ初のバイオエネルギー村が誕生したのは約10年前。今ではドイツ全土に80ヶ所もあるというからビックリ。農村に眠っている有機資源といえば、例えばワラや家畜の糞尿や木。これらをうまく使いこなせば、農村はエネルギーを自給できちゃうんです!都会で使われる莫大なエネルギーをどうすればいいのかは分からないけど、田舎で使うエネルギーを田舎で作れたら、都会が進んでて田舎が遅れてる、なんて言えなくなるはず。それに、今までエネルギーを買うことで外に流れていたお金が村内に留まるのも魅力だし、何より捨てていたもので電気や熱が作られるなんて考えただけでワクワクする。

そんなバイオエネルギー村の中でも、特に光るものがあって賞をもらった三ヶ所をめぐるのが今回の目的。まずはバイエルン州のエッフェルターという村を訪ねました。人口は280人。家畜の糞尿などで電気と熱を作るバイオガス施設と、木のチップで冬場の熱を供給するボイラー施設が目玉。

乳牛にも肉牛にもなるという、まだら牛さん。彼女たちはエネルギー資源まで出してくれるというわけです。これがバイオガス施設。


発酵してできたメタンガスで発電。そして発電する時に出る熱は、配管を通じて各家庭で使えるようになっています。でも排熱だけじゃ冬は足りないので、村内で取れる木をチップにして、ボイラーで燃やす。38軒に熱を送っているセントラルヒーティング、というわけ。各家庭は、必要な熱だけを買い取ります。これがそのボイラー。写真じゃ木を燃やしてるかどうかまで分からないかも…。

施設だけ見ても、その村のことは分からないので、村内を案内してもらったり、プロジェクトに関わってきた村民さんたちとビールを飲んだり。たっぷり1日過ごして、たくさんの刺激を受けました。通訳はハードだったけど。今日は午前中バスで移動するだけなので、ちょっとは休めるかな。昨日のお昼ご飯と夜ご飯。