ドイツ取材2日目 牛農家

ドイツ取材の2日目が無事に終わりました。
かなり興奮気味なので、うまくまとめられるのかどうか・・・

午前中は、伝統的な種類の牛を飼っている農家のワインさんを尋ねました。
いろんな意味で、うちとよく似ていて、あぁ、国が違ってもこんなに共感できる人がいるんだ!って、なんだか泣けてきそうなくらい。
何が似ているか、ちょっと箇条書きにしてみます。

・大学で農業以外の勉強をしていた
・気に入った場所に移り住み、半農半Xでぼちぼちやっていくつもりだった
・高原にある古民家に住んでいる
・見習いからはじめようと思って小規模な農業をはじめた
・伝統的な牛を飼っている
・産直で売っている
・大学の友人や親戚から口コミでお客さんが広がっている
・周囲から「こっちの農地も使ってくれ」と言われるように
・思いのほか大規模になってきた
・子だくさん
・肉の加工もしている(私は目指しているだけ)
・農業を続けることで景観を守っていきたいと思っている

いやぁ、ここまで共通点があると、初対面なのに古くからの友人のように思えてきました。もう、言うこと全てに「分かる、分かる」と相槌をうちたくなる感じ。だいたい、景観も良く似ていて、遠くに来た気がしない。

これがワインさんちの牛。

そしてこれが我が家の牛。

ワインさんの牛も山に強い、小型の牛なんだそう。地元のレストランにも卸しているとの事で、お昼ごはんに頂きました。

柔らかい!!!
ワインビネガーになんと1週間も漬けておいたものだそう。ってことは、やっぱり放牧して育った肉だから、脂身が少なくてかたいんだろうな。でも、漬け込んでから焼くことで、ふんわりした舌触りで極上の肉になっています。これは参考にできそう。もうすっかり親友の気分で、名残惜しい思いでお別れしました。

お次は果樹園の取材。果樹園と言っても、草原にものすごーく大雑把な感じで植わっているだけ。ただし、これこそが伝統的な景観なんだそうで、機械化はもちろんできないし、収量もそれほど多くないこの果樹園を守るために、地域ブランドの商品をつくって、地元で売っている、という取り組み。

下草を刈り取ったり、きちんと手入れをしたりすることを条件に、地元にあるジュース工場と契約して、「白雪姫」というブランドのジュースやシードル、リキュールなどを作っていました。

その年その年によって味が違うのだそうで、考えてみれば当たり前の事。ずっと同じ味なほうがおかしいんだ、ってことに気づかされました。でも、さすがにそれを理解してくれる消費者はまだまだ少数派だそうです。そりゃそうか…。

阿蘇に似たような標高と景色の中で作り出されている牛とリンゴジュースを頂いて、あんまり外国に来ている気がしない1日でした。地産地消はどこでも同じことなんですね。黒い森の伝統牛と伝統リンゴがたくさん消費されて、そのことで農業も景観も守られていきますように!