誕生日シンポジウム

昨日は私の誕生日。何回目かはともかく、アラフォーなのでそれほど嬉しくなくなってきましたが、今後の人生の中では今が一番若いんですよね。それにしても、自分が母親になってみて思うのは、誕生日って”母親に感謝する日”なんじゃないかな、ってことです。お母さん、産んでくれてありがとう!


誕生日の日に、シンポジウムのパネラーとして呼ばれました。なぜか私のプロフィールにだけ生年月日が書かれていて、会場の方からもお祝いの言葉を頂きました。テーマは「世界文化遺産」。阿蘇は、世界文化遺産の登録を目指しているのですが、まだ暫定リストにも入っていません。それに、登録されるとどんな効果や変化があるのか、地元の私たちもよく分かっていません。そこで、世界文化遺産のことを含め、地域の人たちがもっと阿蘇をよく知る機会をつくろうと、県が企画した催しです。・・・とは言っても、農繁期まっただなかの平日に開催するなんて、誰を対象としているのか疑問ですが。それでも100人くらいは来ていたようです。基調講演は「阿蘇は屋根のない博物館」と言い続けている阿蘇たにびと博物館の館長・梶原宏之さん。阿蘇の人にとっては当たり前でも、外から見ると感じる「阿蘇の不思議」についてお話がありました。牛があかいのなんて当たり前じゃない、草原があるのだって当たり前のことじゃない、ましてや火山と共生しているなんて世界的にも珍しい!という、確かに阿蘇の住人にとっては「当たり前」と捉えられているいくつもの不思議について気づかされました。

続くパネルディスカッションが私の出番。私のほかに、地元の「牧野組合」という草原管理組織の組合長さんと、阿蘇を代表する写真家・長野良市さんがパネリスト。阿蘇の資源であるこの農村風景を維持しているのは農家であること、その農家が減っていたり高齢化していたりするので、これからも守っていくためには地域全体の問題としてみんなで考えなければいけないことなどが議論されました。

会場にはここ1,2ヶ月で「世界農業遺産」というものがあることを熊本に紹介し、まずは阿蘇を世界農業遺産に登録しようと動いておられるイタリアン・シェフの宮本けんしんさんも駆けつけてくれて、阿蘇の場合は「魅力=農村風景と文化」なので、世界文化遺産だけでなく世界農業遺産にもきっとなれるはず、と力強いコメントをしてくれました。他にも、「こういう行政が企画するシンポジウムもいいが、地元住民が主体となって勉強会を開こう」という意見も会場から出て、それなりに充実したシンポジウムだったと思います。

さて、帰宅すると私の帰りを待っていてくれた子供たちが飛びついてきました。残念ながら夫は飛びついてきませんでしたが(笑)。何よりの誕生日プレゼントだと思ったので、セルフタイマーで記念写真を撮りました。

ところで、今日のランチは阿蘇の野菜と肉をつかったイタリアンレストラン・イロナキカゼで。景観を守っていくには「地産地消」が一つの鍵だということをドイツ見てきたので、連載が無事に終わることを祝って、一緒に渡独した記者さんがシンポジウムの前にご馳走してくれたのでーす。連載はこちら。
http://kumanichi.com/feature/sougen/
脂ぎっていないあか牛のステーキは後を引く美味しさ。最高でした。

お腹も心も満たされていい誕生日だったなぁ。まわりのみーんなに心から感謝です!!