赤坂ナイト

昨晩は博報堂さんでのトークイベント(?)というか、社内プレゼンに出させていただきました。予想以上に面白かったし印象に残ったので、以下、その報告です。玉子かけご飯を食べながら、日本の農業について考える、という趣旨のプレゼンでした。かなり長くなると思うので、興味のある方だけ。

今回の言い出しっぺは、博報堂構想ラボ”日本の御野菜プロジェクトチーム”さん。大学の同期が中心となってつくったチームだそうです。ちなみにその同期くん、実家が八百屋さん。子供のときから野菜をはじめとした農産物が身近にある環境で、農業には常に興味があったとか。それで、入社以来、「農業、農業」とブツブツ言い続け、やっと10年たって会社の中にチームができた〜、と今年の春先に突然連絡があったのです。それで、その後いろんなやりとりがあったのですが、まずは社内で賛同者を増やしたい。そのためにはとにかく「いいから来い!」という要請を受け、私ともう一人、佐賀で養鶏をやってるチョーかっこいい農家さんの2人が招かれた、という次第です。


まずは御野菜ラボやメンバーの自己紹介があった後、やはり大学同期の友人がファシリとなって、ちょっとしたパネルディスカッション。登壇している側は知った顔ばかりなのでやりやすかったですが、大手の広告代理店さんが、土臭い私たちの話を面白いとおもってくれるか、正直不安でした。でも、18時半スタートのプレゼンに参加する時点で、それなりに興味のある人が揃っているのでしょう。とても熱心に聞いて下さり、質問も出ました。一通り私たち農家の「現場」の話をした後、いよいよ玉子ご飯試食。うちのお米と、先輩農家さんの玉子。大事に作った農産物なので質もいいと思いますが、7時半というものすごくお腹がすく時間に出されたので、そりゃあおいしいでしょう(笑)。そこで出た質問。


「どうしてこの玉子は甘いんですか?」
「本来、きちんと作られたものには自然な甘さがあるんです。玉子もお米もお野菜も」
会場、納得。

そして玉子かけご飯を食べた後に、いよいよワークショップ。参加者が8人くらいのグループに分かれ、博報堂として何ができるか、を考える時間です。農産物を高く売るのか、農業のイメージを上げるのか、その切り口も各グループにお任せ、という投げやりな(笑)ワークショップ。さてさて、どんなアイディアが出てくるのか楽しみです。


「日本の農業」が大変な状況にあるのは知られていると思うけど(高齢化、後継者不足、所得格差など)、それをたった15分のディスカッションでどう提案するのじゃ!?と思い、実はあんまり期待していなかったのですが、これがスゴイ。皆さんさすがプロ!の一言です。なるほどと思えるヒントをいっぱい頂きました。

ほんの一部をご紹介。

博報堂の給料の5%とボーナスは農産物で現物支給する」

「参勤交代制・・・企業から1,2年、農家に派遣する制度」

「田舎をつくろうプロジェクト・・・田舎がない若い世代との交流をつくることでファンを増やす」

広告業界として”気づき”をプロデュース」

「自分たちが関わると価格が上がって本末転倒。じゃぁどこからお金を集めるか。スポンサードしてもらうための仕組みづくりを自分たちが担う」

などなど。現物支給!参勤交代!田舎づくり!キャッチーで、しかも「やれるかも」と期待がもてるアイディア続々。それから、印象に残ったこんな発言もありました。

「普段はブランド化、ブランド化ばっかり言っているけど、このテーマについてはブランド化じゃなくていい。だって本当の豊かさは、みんながいいものをごく普通に食べられることだから。一部の人だけしか食べられないのは違うと思う。だから脱ブランド化で考えていきたい」

ふむふむ。めちゃめちゃきれいなオフィスや夜景の中で、普段あまり関わることのない人種(?)の方たちと過ごした2時間半。思った以上にいい刺激となりました。こんな機会を作ってくれた同期に感謝!

そして終了後の1杯…いや10杯(笑)


3時まで飲んで赤坂に泊まったので、子供もいないことだし思う存分寝るぞ〜と思っていたのに、意外と早く起きちゃった。習慣ってやつですね・・・。お昼には阿蘇に戻ります。ではでは。