カリスマ直売場の社長さんに学ぶ

昨日は、農業経営塾の日でした。全10回シリーズの7回目。もう終盤です。毎回、超大物の講師が25人の受講生のために熊本に来てくださっています。
昨日も素晴らしいお話だったので、長くなりますが報告します。


今回の講師は、いわゆる「農産物直売場」の先駆的な存在である茨城県つくば市の「みずほの村市場」を作られた長谷川社長。


昨日、一番心に残った一言は、これ。

「買ってやってる」から「買わせてもらってる」という意識に消費者は変わるべき。農家はそう思ってもらうための努力をすべき。

なるほど納得、でした。
売ってやってるとは思わずとも、少なくとも「買ってもらってる」の反対は「買わせてもらっている」だと思います。私自身も、農業とは全く縁のない場所・世界で育っているので、一消費者だった時の気持ちも覚えているんです。買ってやってるとは思っていなかったけど、買わせてもらってるとも思っていなかった。でも自然にそういう気持ちが持てるような時代でも環境でもないので、そこは農家がこれから努力していくところだと思います。

基本的に、この国で農産物は足りてなくない。むしろ余っているのが現状。原価を上回る適正な価格で買ってもらい、しかも「買わせてもらっている」と思って頂くためには、農家もそれだけの情報発信をしなければいけない、とのことでした。腐っていたとのクレームにただ謝ればいいのではなく、命あるものですから、ということを誇りをもって伝えなさい、と教えていただきました。ちなみに、ここ10年くらいで増えたクレームは、例えば「オクラにとげが生えていて痛い思いをした」「15分もふかしたのに焼き芋ができない」など、生産者の非じゃないことに対するものだそうです。

もう一つ、とても印象に残ったのはこれ。
消費者は、作る楽しみを忘れちゃいけない。農産物は、「食料」じゃなくて「食材」であり、それを道具とエネルギーを使って「食料」にするのは人間だけに与えられた特権。それを放棄してしまうなんて!人間とは、生きるとは、という問いを、原発事故の後にもう一度考えるべき時なのではないでしょうか。

拍手。他にもたくさん勉強になったことはありましたが、あんまりダラダラ長く報告するのもいかがなものかと思いますので、「人間は災害から学んだことを次のステップのために活かさなければならない」という長谷川社長の言葉で、報告を終わりたいと思います。


メモを書く手が止まらないほど、たくさんの貴重なお話を頂きました。学生の頃じゃ分からなかったたくさんのことを毎回学べる「くまもと農業経営塾」。熊本県がかなりの予算を割いて、今後の農業を盛り上げていく20〜40代の農業経営者(予定者を含む)に対して、無料でこのような講座を設けてくださっているのです。ありがたいことだぁ。そしてあまり知り合う機会のない同業者のお友達ができるのも、たいへんありがたい。あと数回ですが、ここでできたご縁はきっと今後も続くんだと思います。大切にしたいです。いい1日でした。