フィンランドに来ています

身近な人にはお知らせしていましたが、3週間の北欧旅行中です。

再生可能なエネルギーだけで、自給どころか域外の分までエネルギーを供給しているデンマークのサムソー島を訪ねるのが主目的ですが、 就農してから丸10年が経ったので、リフレッシュ休暇を頂きました!夏休みに入った子供たちを連れ、古稀を迎えた両親も誘い、思い切った旅程を組みました。。

農繁期のこんな季節にこれほどm長く阿蘇を離れるのはじめて。草切り第一ラウンドが概ね終わり、やがて穂が出るタイミング。田んぼを離れるのは気がかりですが、独身気分を味わおうとワクワクしている夫に託して出発しました。が…。


空港行きのバスで次男が大量の鼻血を出すわ、降りる直前まで血まみれでその対応をしていたらスマホをバスに忘れて来るわ、出国前から珍道中。スマホは見つかったものの、手元には届きませんでした。帰国までスマホなし。ま、それもいいでしょう!?途中のオランダ空港で子供たちは寝てしまうし、先が思いやられるスタートでした。


21日の午前1時過ぎに無事ヘルシンキのホテルに到着。翌朝はさっそくサウナで汗を流してからプールにジャボン。2晩は海が目の前にあるホテルに泊まっているのですが、なんと外気温18℃。とても泳げるような気候ではありませんでした。 寒くても泳ぐ!と張り切っていた子供たちですが、長そでを着て海岸を走り回るにとどまりました。すっかり九州人と化した私にとってはとっても珍しい「海と白樺」という景色をサウナから眺めて旅の疲れをとりました。


その後、ヘルシンキから300キロくらい北にある湖のほとりで、農家さんが経営している貸コテージに移りました。10人乗りの車を借りて、両親+母の友人も一緒に1週間のバケーション。途中、昔ながらの製粉所でオートミールや小麦を仕入れたり、リサイクルショップで10ユーロ(1500円くらい)のダウンジャケットを購入したり。泳ぐにはまだ寒かったので、コテージの周りでブルーベリー狩りやダーツやサッカー。夜は薪で暖めたサウナに入り、汗をかいたら湖へ。見渡す限り誰もいないので、生まれたままの姿で。うちの子たちにとっては普通かもしれないけど、大人もできるのはやはりフィンランド。なんだか少し、落ち着きませんが。女性が選挙権を持ったのが世界でもかなり早い方だったというフィンランド。なぜ?と尋ねたら、「人が足りないからじゃない?」ですって(笑)。それくらい人が少なくて人口密度も低いので、裸でいたってみられる心配はないとのこと。あはは。


2日ほど前から急に夏らしくなってきて、お手製の釣竿で魚が釣れて大満足の子供たち。ボートで遠出をすることもあれば、コテージのそばで獲物を狙う事も。とにかく、日がな一日、魚釣りやザリガニ捕りをしています。


夕方になるとサウナタイムの開始。古希を迎えた父が薪をくべる担当です。昔取った杵柄で、たくみに火を点けます。フィンランドのサウナは密閉していないので子供でもOK。湖で冷えた体を温めて、また湖へ。その繰り返し。湖のほとりには他にもコテージがあるはずなのですが、地形を上手に活かしてあるので、見渡す限り私たちの他には人がいません。風が止む夜は、10キロ四方にまで声が響くと言われているのだそう。確かに、はるか彼方の対岸でアコーディオンを奏でているのが聞こえました。

11時を過ぎるとようやく月が出てきます。その幻想的なこと…。息をのむような光景です。ふだん酷使している体と頭を休めています。

こんな感じのサマーハウスは至る所にあって、今回私たちが滞在しているところは1週間で約800ユーロ。今はレートが悪いのですが、生活する感覚としては8万くらい。3世帯7人で過ごしているので、頭数で割ると1泊1人千円程度です。国や職場によって差はありますが、私が知っている限り、ヨーロッパでは夏に3〜6週間のバケーションを取るのが一般的。そのうち1週間くらいはこうしたサマーハウスや農家民宿で自炊をしながら家族でのんびり過ごすのもごく一般的。仕事のことをいっさい考えずに心身ともにリフレッシュするこの習慣は、留学中から「素敵だなぁ」と思っていました。

ただ、ヨーロッパの人がこれだけ長期の休暇を夏にとるには訳があります。冬が長くて暗いので、夏に十分太陽を浴びていないと鬱や病気になるとのこと。この話は友人から聞いた俗説で、学術的な根拠があるかどうかは未確認ですが、留学中、冬が寒いのには耐えられても、昼間が短いうえになかなか日が照らないことにイライラしていた経験があるので、大いに説得力がある話でした。私は春夏秋冬、これでもかっていうくらい陽を浴びているので、日光浴の必要はないのかもしれませんが、農家として、母として、主婦として、そして物好きの市民として、自他ともに認める「動き過ぎ」の日々を送っているので、本当にゆっくりできました。母親や友人が炊事をしてくれるので、私はひたすら子供たちと遊び、子供と一緒に就寝。そんなコテージでの滞在もあと2日。今日もしっかり楽しみます!