農家の母ちゃんが大企業の社長と意気投合した話

話が前後しますが、一昨日は、九州経済同友会の事務局で会議がありました。経済同友会と言えば、企業の経営者がつくる団体で、「経済三団体」の一つ。なんでそんなところに呼ばれていたかと言うと、来月開かれる、年に一度開かれる「大会」のパネリストなんぞに選ばれているからなんです。場違いにもほどがあると思うのですが(^_^;)

きっかけを作ったのは、やはり世界農業遺産。昨秋に開かれた熊本経済同友会の総会で、世界農業遺産を目指す動きについて、言いだしっぺであるシェフの宮本けんしんさんと共に紹介させて頂きました。それ以来、地銀の頭取さんや地元を代表する企業の社長さま方にえらく気に入って頂き、この度は九州の大会にまでお呼びがかかった次第。

今年の大会テーマは「九州の魅力を活かしたグローバル市場の開拓」。だいたい、法人にさえしていないO2ファームにとって、グローバル市場なんて全くの別世界。国内の、それも知人や友人を中心としたお客さまにお米を買ってもらっているだけで精一杯なんですから。 まぁ、それでも「思っていることを正直に伝えて来て下さい」と熊本同友会のオジサマたちに背中を押されてお引き受けしたのですから、無理やりテーマに合わせる必要はありません。以下、昨日わたしが皆さんにお伝えした思いです。

「農村には小さなコミュニティーが支える小さな幸せがある。都会で育った私はそれを知らなかったが、田舎に住んでみて、その幸せに気づけたことで人生観が変わった。その小さな幸せを脅かすのがグローバル市場と少子高齢化。この現象は、いま目覚ましい経済発展を遂げている国々でもいずれ起きるだろう。だからこそ、先にこの状況を迎えた日本が、自国の農業・農村を一種の安全保障として捉え、支え合いの社会を築くことができたら、その仕組みが世界に対して魅力になるのではないでしょうか」

輸出拡大路線を期待しているだろう事務局や他のパネリストさんとは、かなり意見が違うかと思ったのですが、陶磁器メーカーの社長さんが同調してくれました。「散々グローバル市場を狙ってきたが、分かったことは、やっぱり大切なのは国内の、そして顔の見えるお客さん。そのお客様が本当に欲しいものを作ろうと思っている」との発言。足元を見直して、国内を磨いていこう、というご意見でした。この社長さんとは、懇親会でも大いに盛り上がり、大会当日が楽しみになって来ました。

10月10日の大会は、一般参加こそできませんが、メディアに対してはオープンな催しです。農家のヨメが経済人相手にどれだけのメッセージを伝えることができるのか。失うものは何もないですから、思っていることを正直に伝えて、反応を見て来たいと思います。4人のパネリストのうち2人が「別にグローバル市場なんか開拓しなくても…」という意見なので、事務局さんはきっと頭を抱えているだろうな。

福岡からの帰り道。わずかの差で乗り継げず、50分待ちだったので、アラフォー女が一人で、〆のラーメン&生ビール♪だって、えらーいオジサマたちとのお上品な懐石料理で、あんまり食べた気がしなかったんだもん。ちなみに、一人で、というのは初体験でした。夜中のラーメン、うますぎ〜!いやぁ、ほんとに美味しかったです!