農家の嫁が数百人の社長さんから拍手を頂いた話

九州の経済界の重鎮さんたちが300人も集まる場でのプレゼンテーションするために、佐賀に行ってきました。


相手が子供でも大人でも、偉くても貧しくても、私が伝えるべきことは変わらない、と普段から思ってはいるのですが、全く違う(だろう)世界にいる人たち相手に、どれだけのことを伝えられるのか・・・と、昨晩は柄にもなく不安が膨らんでいたところ、ちょうど昨日届い「プレゼンテーション・パターン」(井庭崇・著)という本に救われました。学生時代の先輩が書かれた本です。

「プレゼンテーションにおける語り手と聴き手は、伝える者と受け取る者ではなく、(中略) パートナーだという捉え方です。(中略)そう考えると、プレゼンテーションにおいて重要なのは「聴き手にどう伝えるか」ではなく、「聴き手の創造をどう引き起こすか」だというこtになります。極論を言ってしまえば、語ったことが正確に伝わらなかったとしても、聴き手が新しい発想や発見を得たならば成功だという事さえできるでしょう」

納得。伝わらない、とがっかりするのではなく、相手に発見があればそれで成功、と考えればいいのか、と思うと、少し気持ちが楽になりました。



建前や謙遜じゃなく、自分に何が求められているのかがイマイチはっきりしないまま臨んだ、九州経済人たちの大会でしたが、「伝えるんじゃなくて、なにか聴き手に発見があればいい」という気持ちで気負わずにプレゼンテーションをしたら、予想もしなかった好評を頂きました。


グローバル市場の開拓と言ったって、足元のローカルがあってこそ。そのローカルの最たるものが農村で、その農村の営みが農業。という私の投げ掛けに、多くの社長さんたちから共感を頂きました。パネリストの皆さんとの写真。


会長であるJR九州の社長さんや、多くの一流企業の社長さんたちから熱いエールを頂いて、気分よ〜く日本酒を堪能した佐賀の夜でした。


佐賀からの帰り道、テレビ熊本の社長さんから言われてなるほどと思ったこと。「商売人が商売人の話を聞いても面白くない。エリちゃんの話はオレらにとっていちいち新鮮だった」と。そっか、そーいうことだったか、と納得。農家の皆さん、自分にとっては当たり前のことでも、他の人にとって新鮮なことはたくさんあります。どんどん発信していきましょー\(^o^)/


肥後銀行の頭取さんと、テレビ熊本の社長さんとの記念写真です。


そして佐賀から帰ったその足で熊本県庁へ。

世界農業遺産に認定された後の展開について、県の担当者さんが会議するということで、一連の取り組みの言い出しっぺである宮本けんしんさんとプレゼンをしてきた私もオブザーバーとして呼んで頂きました。

いや〜、参加できて本当によかった!めっちゃめちゃ官僚的な組織による、新しい芽が生まれにくそうな取り組みになりかねないところでした。けんしんさんと私で、「それじゃあ住民にとって分かりにくいかも」とか「もっと長い目で見ましょうよ」といった意見をじゃんじゃん出しました。

私たち民間人の意見をどこまで聞いてもらえるかは分かりませんが、世界農業遺産を活かしていくのは、私たち阿蘇の住民自身のはず。あーいうこともしたい、こーいうこともできるかも、という夢が続々と出てきて、それを行政や川下の都市住民や阿蘇が好きな皆さんが支援するような、そんな状況になっていきたいですね!