技の伝承

昨日の熊本日日新聞に、我が家を手伝ってくれているなっちゃんのお子さんたちが載りました!


なっちゃん家族が移住してきたことで、13年ぶりに「モグラ打ち」という行事が復活したという記事。そして、そのきっかけを作ったのは、南阿蘇村の空き家リフォーム事業と、熊本県の「里モンプロジェクト」。南阿蘇村が2年前に3軒の空き家をリフォームして、村が仲介して移住者に貸しました。村が間に入ったことで、集落にも溶け込みやすかった、となっちゃんは言っています。

里モンプロジェクトは、1件あたり上限50万という、額としてはそれほど大きな補助金ではないのですが、農村を元気にしようという取組を幅広く支援する画期的な事業で、任意団体でも個人でも申請できるという非常に珍しい補助事業。今年度スタートした本事業に採択されてなっちゃんと一緒に始めたのが、農村ので途絶えそうな技や知恵の伝承。聞き上手ななっちゃんが年中行事や道具の話を聞いてるうちに、「それならまたやるばい!」ということになったのだそう。アッパレなっちゃん!地域を見事に活性化させている立役者です。


そして、私にとっても彼女の存在は阿蘇のようにデカイ。春から秋は農作業もしてくれますが、冬は家事や雑務もにこやかに手伝ってくれます。今日はなっちゃんが手伝いに来てくれる日。別件の用もあってお昼前には家を出たのですが、食事や洗濯物をお願いできることで、私の負担は激減。肉体的にも精神的にも。ありがたすぎる存在なのです。彼女に家事を頼んで、私は今年初めての講演に出かけました。東海大学での講演。今年は講演等はなるべく減らそうと思っているのですが(農業に集中するため)、学生さんから直接の依頼だったので、お引き受けしました。



働くお母さんたちへ。友人にバイトで家事を頼むのは抵抗がある方もいるかもしれませんが、時給だけで仕事をこなすお手伝いさんより、楽しいし、お互い思いやれるし、相手にとっても融通がききやすい。いいことが多い感じがしています。これからも彼女のライフワークを応援しつつ、私のことも支えてもらいたいと思ってまーす。何はともあれ、一人で抱え込み過ぎないようにしていきたいものです♪


話は戻って、モグラ打ちの道具をつくるために、地元のオジサマから技を受け継ぎました。



ところで、モグラ打ちというのは、子供たちが家々を回りながらモグラ退治をし、ご褒美にお餅をもらう習慣があったそうです。実際にモグラが減ったかどうかは定かでないとか(笑)もらったお餅は、どんど焼きで焼く。こ、これはもしかして日本版ハロウィーン!? 私も今年になるまでこの行事の事は知りませんでした。


それにしても、オジサマの器用なこと!竹とワラと縄でいとも簡単にモグラ打ちの道具を作ったかと思うと、スズメをとる仕掛けや弓、はえたたきなどを次々と作ってくれました。こちらはハエ叩き。


こういうオジサマ・オバサマたちの技を、熊本県の「里モンプロジェクト」により聞き取りして記録しています。けっこういい記録ができそうです



技と言えば、障子の張替えや穴ふさぎも、洋風の家には必要のない技術。子供たちは、自分で空けた穴は自分でふさぐように言ってあるので、好きな形に障子紙を切って、ペタペタ貼り付けます。が、一昨日、障子の穴をふさいで、って頼んだつもりだったのですが、何やら違う事に…。 ペインティングが始まると、挙げ句に私の顔にまで描かれる始末。しかもコワイ感じ。せめて可愛くしてくれたら良かったのだけど(^_^;)




そして、うちの集落でもどんど焼きがありました。見事に酔っぱらって6時前には就寝したので、夜中にパッチリと目が覚めてしまいました。竹筒で温めたかっぽ酒、恐るべし。お餅も美味しかった♪肥後銀行の頭取さんご夫妻が、近くまで来たから、といきなり訪ねて来られました。あービックリしました。

そんなこんなで、日々の暮らしを楽しんでいる様子を、22日に開かれる「手しごと」のトークイベントでお話しできれば、と思います。