バイオマスエネルギーについて語る会

今年度は、南阿蘇村におけるバイオマスエネルギー事業の可能性について、「評価委員会」と呼ばれる専門家による検討と、「わくわく委員会」と呼ばれる一般市民のゆるーい集まりによる検討を並行して進めています。


金曜日には、今年度6回目となる「わくわく委員会」を開きました。


専門家の方たちが「工夫次第では南阿蘇でできるはず」という可能性をいくつか挙げて下さったので、専門知識がなくても分かりやすいように、松竹梅の3パターンとしてご紹介しました。


松: 村内に、高いけど草原や畦道の草も資源として使える発電施設を建てるプラン(乾式メタン)


竹: 村内に、建設費用は抑えられるけど、効率を考えると割高な発電施設を建てるプラン(湿式メタン)。原料は主に生ゴミ


梅: 村外に、もっと広い範囲から生ゴミを集めて発電施設を建てるプラン(湿式メタン)。竹と同様の施設だけど、規模を大きくする分、エネルギー効率も採算性もあがる。ただし、南阿蘇村だけで決められないので、合意が困難。


どのプランだとしても共通しているのは、


1. 生ゴミを資源として使えば、現在、生ゴミの乾燥というアホらしいことに使っている化石燃料を減らせる


2. 資源を安定的に集められるかが鍵


3. 数年前から、この手の施設を、リースとして導入できる道が開けたので(国の方針として)、初期投資の負担が以前より軽くなった。分割払いの感覚。


とのこと。

松プランと竹プランの違いは、住宅に例えると、二重サッシや断熱材を使って、建設費は高いけど、毎月の光熱費が安い家を建てるか、安く建てて、毎月高い光熱費を払うか、ということ。


また、世界農業遺産に認定された阿蘇の草原を維持していくためには、「とにかく草を利用することが大事」であることを考えると、松プランが良さそうね…というご意見が大半でした。

ただ、どのプランでも、太陽光や風力発電施設と違って、ランニングコストがかかる(といっても、それは村内に落ちるわけですが)ので、事業化には一工夫も二工夫も必要です。住民の思いを専門家の皆さんにお伝えして、更に具体的なアドバイスや計画につなげていきます。

資源の豊富さから言っても、観光地であるという立地を考えても、南阿蘇で実現できなければ、他のどの地域でも難しいのではないかと個人的に思っています。逆に言えば、南阿蘇でさえ実現できないのだとすれば、何が原因かをきちんと突き止めて、国に対しての提言ができるのではないかと思います。


3時間にも渡る議論にご参加下さった皆さん、ありがとうございました!