子供の「SOS」に応えられるか? 〜ホームステイの受け入れをしました〜

中学生の痛ましい事件には胸が苦しくなります。親の前では平常を保とうとしながらも子供が出している何かしらのサインに気づけるか、という問い掛けも報道に見られる中、我が家ではSOSへの「初期対応」になれるかもしれないちょっとした努力をしました。ほんとに微々たる努力ですが。登校拒否になりかけていた少年を1週間預かったのです。


学年は1つ上だけど複式学級で双子と同じクラスの少年が学校に行くのを嫌がるようになったのは今年に入ってから。彼は前にも学校嫌いになったことがあり、家は出たものの学校に来なかった時には先生とご両親が辺りを必死で探し回ってやっと見つけ出し、先生が男泣きして叱った過去もある子です。先生の深い愛が伝わったようで、その後はしばらく元気に登校していたのですが、最近は「友達と遊ぶのは楽しいけど学校はイヤ」ということで休みがちになっていました。彼とうちの双子は親友同士。双子がいるからかろうじて登校していた時期もあったようです。「そんなに一緒にいるのが楽しいなら、うちに泊まってうちから学校に通ってみる?」と先週提案してみたところ、彼の目がパッと輝きました。親御さんや先生方と相談した結果、1週間、我が家から通うことになりました。朝が苦手で起きない、と言われている彼ですが、毎日6時には起きて双子と宿題をしたり本を読んだり楽しそうに過ごしたあと、朝ご飯もしっかり食べて、元気に登校しました!そして帰り道にフキノトウ見つけて持ってきてくれます。春の見つけ方を知ってる子供たち、素晴らしいです。さっそく天ぷらにしました。春の味がしました。


2年前に関東から阿蘇に引っ越して来た彼は、はっきり言って天才少年。学校の成績は知りませんが、物の本質を瞬時に見極め、柔らかいながらもハッとするような質問やコメントをする子です。自然の中で遊ぶのが大好きで、機械や構造も大好き。鋭い観察力と思考回路を持った彼には、大人が繕おうとしているたくさんの矛盾がすべて見えている気がしてならないのです。今の教育制度が抱えている限界も。だから行きたくないんじゃないかと。

我が家で過ごす時間が彼にどう作用するかは分かりません。でも、何も置いてない和室でペットボトル2本とボール1つで飽きもせずキャッキャとはしゃいでいる無邪気な彼を見ていると、この子の類い希な才能を伸ばせないとしたら、それは大人の責任な気がして、身が引き締まる思いがします。彼が求めているのは、きっとそんなに複雑なことじゃない。大人から用意されたんじゃない遊びと、それを一緒にやってくれる仲間がいれば、それで充分なんじゃないかな、と。

ある晩、夕食の支度がとっくに終わってお皿の料理が冷める中、彼らが納得いくまで遊んで「お腹すいた〜!」と言ってくるのを待ちました。


ある朝は、私なんかよりもずっと早起きした小学生たちが、朝ごはんの準備をしてくれました。ある午後は、子供たちが近所からたくさん集まってきて、11人分のおやつを用意しました!食べ終わって満足した子たちが外遊びに出て行った後にポツンと残った1つのクレープ。数えていなかったけど、無意識で自分の分まで作ってたみたいです(笑) 高校、大学と友人の実家のクレープ屋さんでバイトをさせてもらった経験がこんなところで活きてくるとは。


そしてある夕方は、仲間たちとつくった彼らの別荘に案内してくれました♪昭和という宝物、という母がくれたカレンダーの先月に「自分の部屋はないけど、こどもはみんな別荘を持っていた」という詩がのっていましたが、まさにそのまんまです。



結局、学校が好きじゃない少年は、学校ラブの双子につられるようにして、1週間、休まず遅刻もせず楽しそうに登校しました\(^o^)/ 
楽しいのは何よりだけど、一番の場所は自分の家なんだからね、ということで、週末の朝、ご飯を食べた後に自宅へ戻りました。 またいつでもここに帰ってきていいから、と。迎えに来たお母さんが「久しぶり!」と声をかけるとはにかんだ笑顔。可愛い〜(^-^)
昨晩は、離れるのが忍びなくて二段ベッドの上段に3人で寝てました。寝る前に1人1人と交わす「おやすみギュー」も抵抗なく毎日してくれた4年生の彼。終業式まであと約2週間。来週は自宅から通えるかな?息子なら3人も4人も全く変わらないことが分かりました(笑)