千客万来!大人も子供も。そして奇跡的な偶然も。

先週は、いつにもまして「すごい」人たちが次々とやってきました。面白かった〜!!可能な範囲でご紹介します。と言っても、すごく長くなりそうなので、我が家に来るマニアックな偉人たちにご興味のある方だけどうぞ。


日曜日の午後は近所の子たちが集まってきたので、オヤツを釣り餌にジャガイモ掘りをしてもらいました。まずはオヤツ風景。近所の生産者さんから頂いたマスクメロンを1/4切れずつ豪快に。用意したスプーンは玄関で発見しました(笑)ストリートチルドレンみたいな写真になって笑えました。



わざわざお金を払って農作業体験する子たちもいることを思えば、オヤツももらってジャガイモも掘れるなんてお得じゃございませんか!彼らがその価値を理解するのは大人になってからなのかもしれませんが。



ジャガイモ堀りをしていると、子供たちにも大人気のイスラエル人・ローマンが「里帰り」に来ました。熊本市内でバイトをしながら日本語学校に通う生活を始めて10ヶ月。都会の生活には違和感があるとのことですが、日本語はずいぶん上達していて感心です。今回は、来春から南阿蘇で農業をしたい!という本気の気持ちを私たちに伝えるためにやってきたのだそう。


そのローマンが、子供たちにバイト代をためてちょっとしたプレゼントを持ってきてくれたのですが(カードゲーム)、プレゼントそのものより、それを渡す仕掛けが面白かった。新聞紙で何重にも包んであって、一枚ごとに日本語でメモ用紙に課題が書かれてあるのです。例えば、「5分以内に5種類の木の葉を集めてその木の名前を言う」とか、「兄弟それぞれの良いところとその理由を言う」とか「ローマンの出身地を調べて地図で見せる」とか「赤、白、青、緑、黄色、紺を英語で言ってその色のものを30秒で集めてくる」とか「英語の挨拶を5種類あげる」とか。


クリアして新聞紙を剥ぐとまた次の課題。苦労して手に入れたプレゼントの喜びもひとしおだし、もらうまでの過程が楽しくて、大いに楽しませてもらいました。木の名前や英語の挨拶をあっさり言えた子供たちに、居合わせた野外教育の専門家さんから賞賛の拍手。人を楽しませるのが大好きなローマンならではの仕掛けでした。




子供たちの就寝後に彼から聞いた、イスラエルの深刻な状況。身近で起きている命の奪い合いに嫌気がさして完全菜食主義者になったローマン。あの国には戻りたくない、一生日本で暮らしたい!という切実な彼の夢を叶えるたのお手伝いをできる範囲でしていきたいと思います。争いの少ない国、ニッポン。争いに巻き込まれない国でいたいですね…。 さっそく翌日には近所の子供たちがゲームに嵩じていました。同じ色や模様のカードが出たら、真ん中に置いてある木の置物を素早く取る、という恐ろしく単純なゲームです。お年玉を出し合って買ったミニ四駆を差し置いて、 相当盛り上がってました(^_^)b 電池のいらない、いたって原始的なゲーム。ローマン、ありがとう!



月曜日からの1週間は、農業環境技術研究所という、国の研究所で土壌の研究をされている若手研究者さんが農業研修に来ました。土壌の研究の中でも、何万年前に組成されたか、などの基礎研究をしているため、農業の現場は初めてとのことでしたが、中・高はバスケ部だった上に、研究のために訪れる熱帯林で穴を掘ったりする、ということで、体力も根気も素晴らしい!毎日本当に頑張って除草作業を手伝って下さいました。




午後には韓国からの視察団も来られました。農協の職員さんたちだそうです。


日本よりも学歴社会や経済格差が激しいと言われる韓国。競争に違和感を感じて農村をめざす若者も中にはいるものの、結局、暮らしていけずに都会に戻るケースがほとんどだとか。確かめたワケじゃないので鵜呑みにするわけにはいきませんが、田舎暮らしが単なる趣味や思想ではなく、若い家族の選択肢として、当たり前とまでは言えずとも、変わり者とまでは言われなくなってきている最近の日本の傾向は、お隣の国にとってもロールモデルとなり得るのかもしれませんね。

「4人も子供を作って、学費はどうするつもりか」と聞かれましたが、そんなことまともに考えていたら、4人どころか1人だって産めないですって(^_^;) でも、高齢化は止められないけど、少子化は止められるはず。産みやすくて育てやすい社会にすればいいんですから。学歴評価だけじゃない社会や、勉強したいことがある子たちが勉強できる環境を作っていくのが、私たち子育て世代の責務というもの。楽観的すぎかもしれないですが、悲観しても仕方ない。なんとかしていきましょーよ。




翌日には埼玉と福井からも援農隊員が到着!アイガモはイネ科が好きじゃないので、稲を食べない代わりに、ヒエも食べない。でもヒエは米農家にとっては雑草なので、我々人間が取らざるをえないのです。そこで、チャーミングな女性2人が頑張ってくれました♪あ、女性1人と大ガモでした(笑) 田んぼに素足で入ると、デトックスされると言って喜んでくれる、ありがたい援農隊さんたちでした。




水曜日にはテレビ等で有名な金子勝慶大教授が対談インタビューに来て下さいました。「エネルギー兼業農家のすすめ」という本を出された後にお会いした時、「先生、(出すのが)遅いですよ〜」と挑発発言したことでかえって覚えていて下さったようです(笑)エネルギーと農業の話もさることながら、夜の宴会で繰り広げられた先生の恋愛トークが面白かったです。農家がエネルギー生産者にもなる可能性についても、もちろんアツい議論を交わしましたが、慶應卒の農家4人の口からでる「地に足のついた発言」に、先生も唸っていました(^_^)v




翌日、先生を田んぼや放牧場にご案内していたら、福島で「エネルギー兼業農家」を目指している期待の農業女子・さっちゃんから突然の電話。空港から「今から行ってもいいですか?」って。急遽決まった出張だそうで、久しぶりに鳥肌がたちました!



いいも何も、有り得ないタイミングと縁だから早くおいで、とせかしたところ、ちょうど一仕事終えたところに到着しました。彼女の実家は代々続く浪江町の農家ですが、放射線量が高くて、この先何十年かは農業ができないとのことで、この4月からは福島県のいわきでオーガニックコットンを作っている農業法人に勤めています、と紹介したところ、「オーガニックコットンのハンドタオルを愛用してるんだ」と先生。その場でポケットから取り出したタオルは、なんとさっちゃんの会社が作っている商品!そんな偶然ってある!?金子先生は、ライターさんと一緒に私のことをインタビューしに来ていたのですが、せっかくのご縁なので、さっちゃんのインタビューもする事に(^_^)b 掲載日は未定ですが、「週刊金曜日」というオンライン紙に載るとのことです。決まったらまたお知らせします。いやはや、すごい偶然でした…



金子先生がいらっしゃるというので、佐賀から駆けつけたのは大学の後輩。野菜農家ですが、今年は「サバティカルだから2,3泊できます」とのこと。


欧州を中心に、長期勤務者に対して1カ月〜1年の「サバティカル」という長期休暇を与える制度を採用する企業が増えているそうですが、これは旧約聖書で、神が6日間働き世界を創造した後、7日目を安息日(=サバティカス)とした故事にならった制度で、良心的な企業は、最低賃金も保証しているようです。


大学卒業後すぐに農業研修をしてから新規就農した後輩の一平ちゃんは、農業をはじめて10年がたった今年をサバティカルにすることに。農業を独立して始める=長期休暇は有り得ない、という既成概念をあっさり崩すリベラルな後輩の姿。ほとんど休みなく走り続けた10年で、心身共に疲れや縛りが出ていたことでしょう。当然、収入を保証してくれる雇い主がいるわけではないので、最低限の生活費のためにお米は作っているそうですが、多品目の野菜を宅配や配達するのはしばらくお休み。稲作があるので完全にフリーな休暇ではないとしても、これを機にリフレッシュして、彼なりの新たな目標やアイディアを見つけてくれれば、と思います。頑張り過ぎて疲れ果ててしまう前に、こんな制度が農業界にもできたらいいかも、と思いました。



火曜日から2晩滞在した福井在住のさやかちゃんは、特殊な能力を持つ女性。守護霊と対話ができるそうで、2年前から私を支えてくれてるなっちゃんと私は、同じ霊を分かち合っているとのこと。「分け御霊」というのだそうです。2人が揃うことで、何倍にもエネルギーが膨らむらしい。私は全く霊感がないのだけど、教えてもらって何だかとても嬉しかったです。


私にはミッションがあって、だからこそたくさんの御霊に護られてるのだ、とも。その「ミッション」が具体的に何であるかは、敢えて聞きませんでした。それが本当なら、なるようにしかならないだろうから。やれることをやれる範囲で精一杯やる、という私の姿勢を崩さなければ、あとはきっと導いてもらえることでしょう。不思議な感覚。でも元気が出ました(^_^)b


農業環境技術研究所のわがいさんは、研修を終えて我が家を発つ前に、彼の専門である土壌の研究について、レクチャーしてくれました。土の話だけでなく、マレーシアで調査をしたときに出会った猿の話やトロピカルフルーツの話、そして森林限界まで進んでいる畑の開墾の話…。将来は「トレジャーハンター」になりたい、というお隣さんの子も目をキラキラさせて聞いていました。いろんな大人たちが教えてくれる広い世界と多様な職業。ありがたいです♪


そんなこんなで、楽しくて濃厚な1週間でした。