子供6人+αで夏休みスタート

福島原発事故の直後に家を開放して、お子さんや親子連れさんを受け入れした際、自然の中で過ごした子供たちがあまりに劇的な変化を遂げたので、その年の夏から「O2ファーム子供合宿」という子供の受け入れを始めました。今年で5回目になる予定でしたが、私が既に臨月を迎えているので、公式行事としてはお休みするつもりでいたら、毎年来ていた子供たちから電話がかかってきて、「やっぱり行きたい」と。「じゃあ、合宿はしないけど、親戚の子みたいに泊まりに来るのはいいよ」と言ったところ、夏休みスタートと同時に横浜から3人の子供たちがやってきました。1週間は6児の母でしたo(^-^)o 来た翌日からこんな感じ♪



子供たちに紛れて楽しそうにしているのはイギリス人のLuke(19歳)。彼のお祖母様は、私が高1でイギリスに留学した時に身元引受人になってくださった方です。四半世紀の時を経て、当時の私と変わらない年頃のお孫さんが、進学前のギャップイヤーに世界のあちこちをバックパックでまわり、ファームステイがしたいということで、我が家にやって来ることになったのです。ご縁ですねぇ。

ギャップイヤーとは、大学などでの勉強を始める前に自由に過ごす1年のこと。ヨーロッパの大学は入試がなく、高校卒業時に受ける試験でいける大学が決まるため、大学入学前に世界旅行をしたり、インターンをしたりする若者がたくさんいるのです。Lukeは日本語はだいたい理解するものの、話すのは苦手でしたが、6人の子供たちとさっそく仲良くなってくれ、初日からいい感じ!


捕まえたクワガタを戦わせたり、

花火をしたり。ザ・夏休み!な感じがいいです。



ヨーロッパでは花火と言えば冬(主に元旦や復活祭)が多いので、夏の花火は初めてだそうです。夏はなかなか暗くならないから、花火に向かないんじゃないかな、とのこと。なるほど。Luke説ですが、納得です。子供たちが片言の英語で線香花火の楽しみ方を教えようとする姿が何とも微笑ましい。どちらにとっても夏のいい思い出になることでしょう(^-^)



よそのお子さんを預かっている、と投稿したら、お世話が大変ですね、とコメントを頂きましたが、特にお世話はしていません。私が臨月なことを知ってる子供たちは、自分のことは自分でやるのが基本。ある晩の夕飯も全児童でした。野菜を集めるところからはじめ、お米をといで、炒めて煮てキッズカレーのできあがり。女子がほとんど動かず、男子がほとんどやっていたのが現代的かも(笑)!?


自覚があるのか、「誰がつくったの?」の問いに手を挙げないのがおかしかったです。旨い〜とご満悦の様子で大盛りカレーを平らげていました。良かった良かった、ご馳走さまでしたo(^-^)o 唯一タイヘンなのが洗濯で、子供たちの就寝後に頑張りました。



ところが、このタイミングで酷使に耐えかねた食洗機がボイコットorz 10人分の洗い物。トホホ。いつも感謝してるんだけどなぁ、Mrs.食洗機。復活してくれ〜っ!


雨の日は映画観賞。「星空映画館。貧しいけれど、とことん贅沢な時代だったね」と書いてある昭和の宝物というカレンダーの向こうで、ほとんど変わらない情景が見えてる我が家って…(^_^;)



2日間、あいにくの天気が続きましたが、その後は真夏日。キッズ企画の流しそうめんが始まりました。竹を切ってくるところからはじめて、割って、節をとって、そうめん茹でて。今年の樋はトンネルつきで素敵だったし、結果的には楽しかったのだけど、なんだかなぁ、という複雑な気分の昼下がりだったので、ついでにご報告します。


「自分たちのことは自分たちでする」を条件に我が家に滞在している子供たち。晴れたから流しそうめんしたい、というので「どうぞ」と私。竹の準備は手慣れたもので、順調だった様子です。

そうめんを茹でるのにお湯を沸かし始めました。やったことはあるというので、任せていました。すると…


「えりちゃん、お鍋の蓋はどこに置けばいい?」
「自分で考えて」

「えりちゃん、そうめんどれくらい茹でればいい?」
「自分で試してみて」

「えりちゃん、何運べばいい?」
「自分で考えて」

「えりちゃん、何人いる?」
「自分で数えて!」

と一事が万事、そんな感じですorz

経済も政治も混沌とした今の社会の中で、自分の頭で考える子を育てないことには、未来に希望が持てないと思ってます。ついつい大人が先に指示しがちですが、失敗してもいいので、自分で考え、自分で工夫する癖がつくよう、皆で見守ろうじゃありませんか。考えさせられる午後でした。


さて、そうめん流し企画で、一瞬ホームシックにかかりかけた女子たちも、ノリノリになってきて、水源にも行きました。面倒見のいい19才のルークは予定を延ばして滞在。一緒に水遊びを楽しみました。


最後の晩はバーベキューでもしようかと提案したけど、「 明日は早起きしてカブトムシ捕りに行くから普通のご飯の方がいい」と言われました。山のようにトンカツ作ったところ、1人4枚食べる子もいて完売。ってサンタのことですが(笑)カブトムシのために早々就寝。長いようで短い1週間でした。


都会は都会でいい。田舎も田舎でいい。都会には田舎にないものがたくさんあるけど、その逆もしかり。その事を自覚することが、将来、田舎の子が都会に出て行った時にコンプレックスを生まないための1つの助けになるんじゃないかと思います。都会から大人や子供を受け入れるのは、 もちろん大変なこともありますが、 都会の皆さんに自然を味わって欲しいからだけじゃなくて、うちの子供たちにとっても大きな意味があると思うから続けているのであります。


ブレてしまいましたが、横浜キッズ3人は子供たちだけで飛行機に乗り込みました。ケガや病気がなくて何よりでした。さて、お次は1ヶ月の「お試し移住」をしに来る家族を迎えます。夏の我が家は毎年こんな感じです( ^_^)横浜キッズ、バイバーイ。