tamboファッションショーをやりました

報告が遅れましたが、10月10日に「風景を着る」田んぼファッションショーを開きました。実はイベント疲れからか、ちょっと体調を壊していまして。そんなわけで開催後の報告が遅れてしまいました。

どこに住んでいても、何歳になっても、美しくいたいという女性の想いを形に。と同時に、私たち農家が守っている風景の価値を認識してもらおう、という狙いでした。風景の写真をプリントした布地で服をつくったのです。このアイディアが意外なほどに反響が良く、企業からは協賛金だけでなく、企画や技術支援の申し出も。プロの皆さんにお力添えいただいたおかげで、完成度の高いショーになったのだと思います。写真もプロなら、モデルさんも、設営も司会も音楽もみんなプロの手によるもの。そこに、学生さんや近所のおばさま達がデザインや縫製に加わってくれました。稲刈りの終わった田んぼに、テレビ熊本さんのご協力によりランウェイができたのはショーの前日。これ、すごくないですか!?


プロのファッションモデルさん3人は、友情出演。彼女たちが去年遊びに来た時、「あぜ道がランウェイみたい。ここでファッションショーをしたら気持ちよさそう!」と冗談交じりに言ったのがそもそものきっかけだったので、責任をとって(?)来て頂きました。


3名のうち1人は、私が代表をつとめるNPO法人田舎のヒロインズの副代表・丹羽なほ子さん。「農家だからキレイ」と言われるようになっていきたいから、という願いを込めての人選ですが、彼女の場合、元があまりに綺麗で、迫力でした。


ミスユニバースに出る候補者にウォーキングの指導もしているまゆみさん。同じ人間とは思えない体型に会場からため息が。近くの公民館で前日にウォーキング指導をして頂きました!


高級女性誌のファッションモデルをしているあかりちゃんは、家族で駆けつけてくれ、旦那さんはショーの音楽を担当してくれ、娘さんもキッズモデルとしてデビューしてくれました。


そしてこの風景を守ってきた立役者のおばさまたち。彼女たちが守ってきた風景を自らまとってもらいました。


キッズモデルは、風景写真をプリントしたTシャツで登場。生後2か月の里咲も!

そして現在進行形で阿蘇の農業を名実ともに支えているJA阿蘇フレッシュミズの皆さんと、来春から就農予定の大学生さん。ご自身で撮った写真をまとう人もいれば、今回、趣旨に賛同してたくさんの衣装やメイクさんと共に阿蘇まで自費でやってきてくれたLeeの作業服を着る人も。みんな楽しそう。

トリは高校生。もと「阿蘇農業高校」が統合して阿蘇中央高校となりましたが、農業の勉強をしている生徒さんたちです。世界農業遺産といえども、繋いでいく相手がいてこその遺産。彼女たちは未来の希望です。自分たちが育てているワインぶどうや羊の写真をかわいらしいワンピースに仕立てました。実は、世界農業遺産の認定を受けてからも、高校生がなかなか関われていないのが現実です。彼らは実験農場や研修で斬新な作物をつくったり(阿蘇産バナナやコーヒーなど)、自分たちのブランド化について検討したりと様々な取り組みをしているので、ぜひもっと前面に出て欲しいなぁと前々から思っていたのです。今回のショーでは彼女たちにたくさん脚光があたったので、嬉しかったです。爽やかな笑顔が最高でした。

今回のイベントは、本当にいろいろな方のご協力を得て開催します。企業さんからのご協力とは別に、デザインを担当してくれた京都造形芸術大学の学生さん。風景写真を提供して下さったアマチュアカメラマンの幸野さん。ここの風景をとても気に入っていらして、季節ごとに撮影されています。私の投稿を見て、ミシン持参で手伝いに来て下さった隣町の中川さん。当日は来れないけど、デザインした帽子を貸してくれた cathyhatの神谷有香さん。たまたま他の打ち合わせに来たのに、縫い子さんになってくれた友人・中林くん。等々。


そして翌日。日常に戻ったおば様たちにお礼をしに行きました。晴れの舞台もステキでしたが、日々の姿もステキです。人柄が笑顔ににじみ出ているから。「ファッションショー、楽しかった」とか、「モデルさんに会えて嬉しかった」という、嬉しいコメントを頂きました。実は、奇抜なアイディアに近隣から不安の声も寄せられていたのですが、舞台に上がった方々からそんな感想をもらえたので、正直ホッとしました。守るべきもの守ってきたからこそ、変化や新しいものに対して奥手になるのが田舎の宿命。東京から来た私に対して、期待と不安が混ざったちょっと複雑な感情をもっているのも、自然なことだと思います。それをヒシヒシと感じている私に、「いろんな事をいう人もいるだろうけど、都会の風を吹かせてくれてありがとう。エリちゃんがいなかったらできない経験をさせてもらったよ」と言って下さいました(;_;) 自分の姿が載っている新聞記事を眺めて、照れくさそうな笑顔。やって良かったと思いました。


農業新聞さんにも大きく取り上げて頂きました。

ショーの翌日からは、富士ゼロックス社さんとの協働で「田んぼファッションショー速報フォトブック」づくり。10月19日はミラノ万博の日本館で熊本デーでした。ミラノでオンデマンド印刷したものが会場に届き、世界農業遺産の認定を目指していた時から一緒に動き回っていた副知事や宮本けんしんや県庁職員さんがアピールして下さいました。今回できたのは速報版なので、改めてじっくりと保存版もつくる予定です(^_^)v

熊本県内ではTKU(テレビ熊本)で特集として放送されました。近々YouTubeに上げたいと思いますのでお楽しみに。


産後間もなくて何かと思うように動けませんでしたが、事務局のケイちゃんが胃をキリキリさせながらも切り盛りしてくれて、最高のイベントになりました。次はパリコレをめざします!?いえ、まずは日常に戻り、「農村を明るく」のもう一つの切り口である再生可能なエネルギーの普及につとめます。長い報告で失礼しました。