自宅出産とお宮参りの件

産後1か月が経ちました。さて、ここら辺で自宅出産について投稿しようと思います。長くなるので興味のある方に。


私が「自宅出産」という選択肢について初めて知ったのは、最初の妊娠をする前でした。当時、婚活ならぬ「妊活中」だった私は、親しい友人に誘われて熊本市内で開かれた助産師さんの講演会に参加。病院でのお産は、リスク回避という意味では当然の選択しなのですが、分娩台に固定された状態で産むのは、お母さんにとっても生まれてくる赤ちゃんにとってもストレスが大きいこと(寝たまま排便することを想像して下さい)、また生まれた直後からライトや他人の手(お医者さんや看護婦さんたち)にさらされるのは、出産と言う大仕事を終えた母子がリラックスする時間を削ってしまっていることなどを聞きました。その助産師さんは、母子が一番リラックスできる自宅でのお産を介助したくて、大病院を辞めて開業されたとのこと。「もし妊娠したらこの人に取り上げてもらいたい!」と心に誓ったのでした。

ところが、最初の妊娠で双子、2回目の妊娠で逆子。どちらもリスクが大きすぎて、自宅では産めない状況でした。双子も逆子も、帝王切開をせずに自然分娩で産んだ私は、「それだけで本が1冊書ける」と言われるほどですが、1つだけ心残りだったのは、自宅出産ができなかったこと。その願いが10年越しで叶ったのです!

築100年を優に超える大津家本家の「座敷」と呼ばれる仏壇のある部屋で、薄暗い照明の中、だんだん強くなる陣痛を逃しながらも、「まるで時代劇だなぁ」と我ながら可笑しくなってみたりして。そして丑三つ時。いよいよ出産という段階で息子3人を揺り起こし、助産師さんの優しい声に促されてクライマックスのいきみ。家族全員に加えて仏壇のご先祖様たちが見守る中、元気な産声が響き渡りました。頭が見え始める時から胎盤が出てくるまでの一部始終をしっかりと見ていた息子たち。命の大切さを胸に刻んでくれたことと思います。

この世に出てくるという大仕事を終え、生まれた直後から約2時間を私の胸の上で放心状態のまま過ごした赤ちゃんは、すっかり落ち着いてから、体重や身長を測定します。母子の絆づくりと疲労回復を最優先させてくれたのです。

夜中に産んで、助産師さんがうちを出たのは明け方。車で1時間ほどかかる熊本市内にお住まいですが、その日の午後にはまた来てくれました。改めてベビーや私のケアをした後、胎盤の機能についてレクチャーしてくれました。興味津々で覗き込む息子たち。私も勉強になりました。

大津家の屋根の下で赤ちゃんが生まれたのは、実に62年ぶりとのこと。産みの苦しみは病院でも自宅でも変わらないと思いますが、本当に本当に「良いお産」でした。



里咲のお宮参り。高森阿蘇神社という神社に初めて行きましたが、とても風情のある神社さんでした。そしてお赤飯とお頭つきの鯛。産後の1ヶ月、お世話になりっぱなしだった義母を含め、 家族みんなでこんな風にお祝いできたことが何よりでした。